2011年6月12日日曜日

あの人に迫る「星稜高校野球部総監督 山下智茂」

平成23年6月10日付け中日新聞夕刊紙面「あの人に迫る」より、星稜高校野球部の山下智茂総監督の金言を抜粋

・感謝のない人間には幸運がこない。そう、その場ですぐに教えられる指導者でなきゃいかん。

・若い指導者には魂をぶつけろ、対話をしろと言うんや。僕はそのために今も毎日ジムに二時間通う。

・僕自身、大学時代は補欠だったから「花よりも花を咲かせる土になれ」という思いがある。レギュラーは九人だけど、部員は数十人いるよね。部員全員が星稜の野球をやってよかった、山下に習ってよかったという野球でなきゃだめなんだ。その子たちが卒業し、三十年、四十年たってから、よかったといえる野球をやりたいんや。

・まず、自分の器を大きくしようと。自分が変わらないと、選手も変わらない。見つけたのは、選手を認めること。自分の目線を下げて、勝つ野球を捨てて、育てる野球、心の野球を始めて、また面白くなった。

・「笑顔の練習もされたと聞きました」>うちの玄関に鏡がある。それを毎日、見るんや。朝行く前と帰ってから。十五分から二十分くらい、にらめっこする。これはあかんと思ったら、もう一度シャワーを浴び、これで生徒が納得するかなって。

・帰った後も一日を満足したかと問い掛ける。だめだったらグラウンドに戻って整備した。鏡と向き合う時間はものすごく大事。そうすれば生徒の顔色を見ただけで、悩みも分かるようになる。

・指導者はどこでデビューさせてやるか、どんな舞台をつくってやれるかが大事なんだ。

・キャッチボールにも意味がある。野球も人生も同じ、キャッチボールがうまくなれば人生もうまくいく。相手の胸元に投げることは思いやり。思いやりのない人間は商売もうまくいかない。ボールがそれれば、足を一歩動かして胸元で取る。相手のミスをミスに見せない。後ろにそれれば取りに行く。これがマナー。「ナイスボール」と褒めるのは相手を尊重する。

・若い監督は技術、持論はすごい。だけど、ハートが足りない。心がない人間がいくら教えても選手は育たない。目線を下げて魂と魂のぶつかり合いというか、気と気を映し合いながら、そこから互いに学ぶもんや。

・一流の監督は謙虚。話をしてもしっかりメモを取る。大監督がこんなことするのか、というところまでやる。

・最近は東北、北海道が強いけど、心を教えている。スパイク、グローブをきっちり並べたり、すきがない。心を教えているチームは品格もあり、周りも応援してくれるんだ。

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